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【CIAが頼る情報源】ジム・リカーズによる"未来"の経済解説

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CIA、ホワイトハウス、国防総省に対して助言を行ってきた地政学の専門家ジム・リカーズが、独自の視点から経済・金融の動向を解説。今後世界がどう動くのか?どんな投資チャンスが現れるの…
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#米国

イスラエル紛争の拡大が招くもの

From:ジム・リカーズ パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃は、世界に衝撃を与えた。これまでのところ、約1500人の死亡が確認されている。その数は増える一方だろう。 現時点では判明している事は少ないが、イスラエルの情報網に大きな穴があった可能性がある。同国の情報網は優れていると知られているだけに、このこと自体にも驚きを覚える。 裏を返せば、ハマスは独自の徹底した情報管理により、綿密に計画した攻撃を事前に悟られずに実行でき

米国『中央銀行デジタル通貨』は暗号資産をねじ伏せるのか

From:ジム・リカーズ 中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、これまで何度も話をしてきた。 その米国ドル版を私は「バイデン・バックス(ドル札)」と呼んでいる。CBDCは大いなる脅威である。 デジタル通貨(だが暗号資産では無い)。つまりプログラミングすることが可能なのだ。財務省とFRBはあなたの購入したもの、政治的な関わり、信仰宗教などを追跡できる。米国の敵、または極端なドナルド・トランプ崇拝者かもしれないと、監視の目を光らせるのだ。 バイデン・バックスによって、

「米ドルが使われなくなる日」

From:ジム・リカーズ 2023年8月22日、今日から約2.5カ月後には、1971年以来金融史上最も重要な進展が発表されるだろう。新しい国際通貨が登場する予定だ。 この新通貨は、米ドルの世界的な地位をチャレンジし、決済通貨・基軸通貨としての米ドルを置き換える程の潜在力を持つものである。 そしてわずか数年で、米ドルを主役の座から下ろす可能性を秘めている。 この様なイベントは前例がなく、世界はこの地政学的な衝撃に対応する準備ができていない。この「通貨ショック」はBRIC

【中国・ロシア・米国によるポーカーゲーム】"絶好のカモ"になっているのは…?

From:ジム・リカーズ ウクライナがロシアとの戦争で苦戦を強いられていることは、これまで何度も情報を発信してきた。多くの米国人がロシアの大敗を信じているのも無理はない。米英メディアによる誤情報が氾濫しているのだから。 しかし、事実は異なる。 20万人以上のウクライナ軍戦死者の墓標は、まるで母国の劣勢を象徴しているようである。ウクライナは多くの優秀な人材を失った。初歩的な訓練しか受けていない新兵を前線に送り込んでいる。彼らの多くは数日しか持ちこたえられないだろう。 一

米国は日本を追うように「失われた10年」に突入し、資産バブルを迎えるのか?

From:ジム・リカーズ 株式市場は今、非常に不安定な状態にある。激しい変動から見えてくるのは、連邦準備制度理事会(FRB)や他の主流アナリストが使っている景気情勢を読むためのモデルは、不適切だということだ。 FRBは市場についての多くの推測を立てている。例えば、市場は常に効率的であるなど。しかし、推測は間違っている。現在の不安定な状況下では、前日終値と当日始値に大きな隙間ができる。これは、夜間の間に売り注文が殺到したり、海外市場の相場が大きく上昇したりするのが理由だ。「

MMTは政治兵器として運用され、株式市場にも”津波”を起こす

From:ジム・リカーズ 現代貨幣理論(MMT)をご存じだろうか。 MMTの主な考え方は、米国連邦準備制度理事会(FRB)が自国通貨を発行できるため、負債や財政赤字が拡大しても問題ないというものだ。 2018年、MMTは金融・財政政策の専門家の間で大流行していた。何のデメリットもなく、好きなだけ支出できるという理論は、あらゆる可能性の中で最高のもののように思えた。 それから、少しの間、MMTは下火であった。話題に上がることもなかったが、MMTは政治兵器として密かに運用

ペンタゴンの嘘がおよそ100年ぶりの米国-ロシア抗争を示唆している

From:ジム・リカーズ 3月後半の記事の見出しは、世界的な銀行危機の話題で占められた。 シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行が相次いで破綻。ファースト・リパブリック銀行とクレディ・スイスも救済措置が必要であった。今後、さらに多くの銀行が破綻するのは間違いないだろう。 しかし、銀行危機は注目すべきニュースの1つに過ぎない。 それよりもさらに重要なニュースとして、ウクライナ戦争が挙げられる。軍事侵攻は2年目に突入。着実に第三次世界大戦と核に

2023年6月5日…その日、アメリカの将来が決まる

From:ジム・リカーズ 米国一強の時代はいつまで続くだろうか? 今から2ヶ月後…この問いへのある程度の答えが見えてくるだろう。 なぜか?4月の中頃、米国は、債務と赤字の2点で大きな転換期を迎えるからだ。 この問題は、債務上限と、米国が債務不履行に陥る可能性のある悪名高い「Xデー」に関連している。 「一兆ドルコイン」は借金大国アメリカを救えるか?米国財務省が発行できる債務の総額の上限を示す数値である。ただし、債務上限は、新たな債務を発行できないという意味ではない。

【分析】プーチンは戦争を望んでいなかった

From:ジム・リカーズ 地政学は世界経済の先行きを占う上で大きな役割を果たす。しかし、より重要なのは、今日、私たちは「地経学」を通して世界を見なければならないということだ。 「地経学」とは何か。 これは地政学(geopolitics)と経済学(economics)の合成語である。これらの2つの学問が密接に関わっていると聞いても驚きはないかもしれない。 戦争は地政学的なものであり、主に経済力によって勝敗が決まることが多い。経済学と世界戦略は常に絡み合ってきたのだ。

中国は"2つ"ある。拡大する格差社会

From:ジム・リカーズ 「中所得国の罠」にはまった中国中国は、「中所得国の罠」にハマっている。 これは、発展途上国が一定規模(中所得)にまで経済発展した後、成長が鈍化する傾向のことを言う。 そもそも経済学者は、所得レベルについてこのように分類している。 低所得国とは一人当たりの年収が5,000ドル程度(約65万円)の国 中所得国は8,000ドル(約104万円)から15,000ドル(約195万円)の間の国 高所得国は2万ドル前後、それ以上の国を指す。 中国の場合

第三次世界大戦はもう始まっている

From:ジム・リカーズ 第三次世界大戦はすでに始まっているのか?これは重大な疑問であり、投資家は真剣に検討する必要がある。 ウクライナ戦争が制御不能になり、第三次世界大戦に発展する可能性があると警告するアナリストやコメンテーターが相次いでいる。 その一つには、戦術核兵器が投入され、核戦争にエスカレートする可能性がある、というものがある。多くの人は、ウクライナでの作戦が失敗したことに絶望し、核攻撃を行うのはロシアだと指摘しているのだ。 しかし実は、その反対である。

失速する世界2位の経済大国チャイナ

From:ジム・リカーズ 私は今、世界の騒乱から遠く離れた南極大陸を探検している。 氷山のすぐ近くを通るたびにタイタニック号を思い出す。沈没したくない…と。 これは旅行記ではないので、南極の話はこれくらいにしておこう。 あなたも金融、経済、政治、地政学などの分野で何が起こっているのかを知りたいはずだ。それについてお話ししよう。 私は最近、米国の政治、連邦準備制度、ウクライナ情勢、さらには核戦争の脅威といった話題についてよく書いている。 しかし今日は地政学的な観点か

ウクライナは負けている。戦争の"真の勝者"とは…

From:ジム・リカーズ ウクライナで本当は何が起こっているのか、あなたは知っているだろうか? ウクライナ戦争は今、世界で最も重要な話題である。しかし、ウクライナに関する米国政府やメディアの絶え間ない世論誘導を信じてはいけない。 ウクライナは戦争に勝っているのではなく、負けているのだ。 ここ数ヶ月、ロシアが後退し、ひどく負けているといったニュースを見た覚えはないだろうか? ウクライナを持ち上げるのが今の報道の主流である。 だが、現実はこうだ。 ウクライナの勝利の