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【CIAが頼る情報源】ジム・リカーズによる"未来"の経済解説

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CIA、ホワイトハウス、国防総省に対して助言を行ってきた地政学の専門家ジム・リカーズが、独自の視点から経済・金融の動向を解説。今後世界がどう動くのか?どんな投資チャンスが現れるの…
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#銀行

いつ来るか?”現金がなくなる日”

From:ジム・リカーズ 私が現金に対する戦いやキャッシュレス社会の脅威について話すと、大げさだと感じる人や、真剣に受け止めてくれない人がいる。 私は決して大げさに言っているわけではない。その脅威は存在し、拡大しつつあり、悪化の一途をたどっている。オーストラリアを見ればわかるだろう。米国との類似点が多い、欧米型の民主主義国家だ。 現金に対する戦いの行方は、米国人へ警告を与えてくれている。 今年3月、オーストラリアの4大銀行のうちの一行が、複数の店舗において現金の入出金

金融危機は繰り返さないが、サイクルを作る。

From:ジム・リカーズ 今日の銀行危機を広い視野から見てみよう。金融システムのダイナミクスを理解し、危機がどの程度続くか、どの程度の破壊力を持つかを推定する手がかりとなるはずだ。 まずは、不況と金融危機を区別しよう。両者は異なる事象だ。 不況と金融危機は別不況はビジネスサイクルの一部である。金融引き締め、失業率の上昇、企業の倒産、在庫処分、工業生産高の減少、GDPの減少などが重なり合った状態だ。 ここ数十年では、1973年、1980年、1981年、1990年、200

またもや億万長者救済!?

From:ジム・リカーズ 金融界は、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に揺れている。 まずはこれまでの流れを見てみよう。 3月10日、同銀行は突然閉鎖され、一部の預金はブリッジバンクへ移管された。これは規制当局が管理する銀行のことである。大口の預金を一掃し、銀行資産の売却と債権者への返済を徐々に開始したのだ。 そして3月12日、SVBの預金者全員を保護するというビッグニュースが飛び込んできた。米財務省などがルールを破ってその場しのぎで緊急処置を行ったという。 銀行の