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失速する世界2位の経済大国チャイナ

From:ジム・リカーズ

CIA、ホワイトハウス、国防総省が頼る情報源:ジム・リカーズ

ジム・リカーズは、ウォール街で40年の経験を持つ金融・経済の専門家。地政学に精通している彼は、地理的な条件から、軍事や外交、経済を分析することを得意とする。実際、米国における彼への信頼は非常に厚く、CNBC、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルといった世界的なメディアに数多く出演し、政治問題や経済の動向について提言を求められてきた。さらに彼は、ホワイトハウス、CIA、国防総省の元顧問でもある。2008年にはリーマンショックの発生を予測し、CIAに対して助言を行っていた。彼のもう一つの肩書きは、5冊のベストセラー本の著者。その著書には『The New Case for Gold』(邦題:いますぐ金を買いなさい)や『The Death of Money』(邦題:ドル消滅)がある。政府機関が信頼を置いてきた彼の予測や提言は、きっとあなたの金融知識の向上、ひいては資産形成にお役立ていただけるだろう。

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私は今、世界の騒乱から遠く離れた南極大陸を探検している。

氷山のすぐ近くを通るたびにタイタニック号を思い出す。沈没したくない…と。

これは旅行記ではないので、南極の話はこれくらいにしておこう。

あなたも金融、経済、政治、地政学などの分野で何が起こっているのかを知りたいはずだ。それについてお話ししよう。

私は最近、米国の政治、連邦準備制度、ウクライナ情勢、さらには核戦争の脅威といった話題についてよく書いている。

しかし今日は地政学的な観点から、今最も大きく複雑なトピックである「中国」を取り上げたい。

地球上で最も強力な国家「中国」

世界の金融市場と地政学における中国の重要性は議論の余地がない。

中国は米国に次ぐ世界第2位の経済大国であり、年間GDPは18.3兆ドル。世界総生産額の20%弱を占めている。

出典:ガベージニュース

人口はインドに次いで世界第2位、約14億人である。

出典:Statista

国土はロシア、カナダ次いで世界第3位で、地球上の乾燥した土地の約6.3%を占めている。

核兵器保有数は350発で、ロシア、アメリカに次いで世界第3位である。(ただし、ロシアの核兵器保有数は6,257発、アメリカは5,550発なので、その差は大きい)

出典:産経新聞

このように、中国は地球上で最も強力な国家の一つである。

そして、中国の2000年から2007年の経済成長率は年平均10.55%。8年間のトータルは123%である。

つまり、中国経済の規模はこの8年間で2倍以上になったのだ。

これだけ成長しているのだから、世界のアナリストが「2030年には年間GDPで中国が米国を超える」と自信満々に予測したのも無理はない。

20世紀がアメリカの時代であったように、21世紀は中国の時代になるという予測もある。

しかし、これらの予測は現実とは異なっている。

現実は、バケツ一杯の冷水を浴びせられたように、チャイナウォッチャー(中国研究家)を襲っている。

その現実は、「絶望的に貧しい国」

「パンダ・ハガー(中国を抱擁する人)」と、皮肉を込めて呼ばれる中国応援団でさえ、目を覚ましつつある。

中国は多くのペーパー・ビリオネア(※)がいるにもかかわらず、絶望的に貧しい国であるという事実に気づき始めているのだ。

(※株式やその他の有価証券で100万ドル以上の資産を所有する人のこと)

30年にわたる催眠術の呪縛が解かれたのである。

鋭いアナリストは、中国が「中所得層の罠」と言われる巨大で重大な経済的障壁に突き当たっていることに気づいている。

中所得層の罠とは、発展途上国が一定規模(中所得)にまで成長した後、成長が鈍化する傾向のことを言う。

詳しくはこちらの記事で解説している。

実際、最初に引用した数字は、深く掘り下げてみるとそれほど驚くべきものではない。

2000年から2007年までの年平均成長率は10.55%だったとお伝えしたが、2008年以降は7.20%である。

この成長率は、2007年以前の成長率を32%も下回っている。

また過去15年間の成長率は182%であるが、2008年以前の8年間が123%であったことを考えると、それほど驚異的なことではない。

このグラフを見ていただければ、2008年以降成長が鈍化していることがお分かりいただけるだろう。

出典:第一生命研究所

さらに2008年以降もどんどん成長は鈍っている。

実際、最初の4年間(2008年〜2011年)が9.40%〜10.70%の成長だったのに対し、直近の4年間(2019年〜2022年)はわずか2.2%〜5.6%の成長と、その減速ぶりは顕著である。

もちろん、中国のデータは上方修正されるのが常である。2022年に中国経済が実際に縮小した可能性は十分にあり、まさにそれを示唆するデータも存在する。

この減速を2008年の世界金融危機と2020年のパンデミックのせいにするだけでは不十分だ。

中国は世界金融危機の影響をほとんど受けず、2008年には9.65%という健全な成長率を記録しているのだから。

今後も続くであろう中国の成長鈍化は、金融パニック(2008年)やパンデミック(2020年〜2023年)よりも"さらに大きな力によるもの"である。

何が中国を支えているのだろうか?

中国が突き当たっている「中所得層の罠」については、こちらで解説している。

P.S.

著者のジム・リカーズについては、こちらで詳しくお伝えしている。

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