「オマハの賢人」が石油を買い漁るシンプルな理由
From:チャールズ・ミズラヒ
「オマハの賢人」として知られる
ウォーレン・バフェット氏。
彼が今、石油株を買い漁っていることは、
あなたもご存知の通りだ。
2023年5月には、オキシデンタル・ペトロリアム (NYSE: OXY) の株式を400万株追加購入。
これで、市場に出回っている同株の約25%を所有することになった。
彼が石油株投資に動き出したのは、
何も今に始まったことではない。
それは、約1年前のことである。
実際、バフェット氏は2022年3月から同株を買い始めた。
2022年8月には、
同株の最大50%を購入する承認を規制当局から受けている。
それ以降、株価60ドル未満の範囲で
株式を買い続けているのだ。
でも一体なぜ、彼は今、石油株を買い漁っているのだろうか?
それは、需要と供給のバランスを見れば、明らかになる。
【需要と供給のシンプルな関係】
今、2つの要因によって、
石油の供給が停滞している。
1:OPECの減産
今回の石油供給の停滞は、
OPEC(石油輸出国機構)による一連の削減策から始まっている。
この政策は2024年末まで続くと予想される。
これにより、石油生産国は
豊富な埋蔵資源を最大限に活用しようと考えているのだ。
例えばサウジアラビアは現在、
複数の国家プロジェクトを進行中である。
巨大プロジェクトの建設、
リブゴルフツアーや紅海リゾートの資金調達など。
これらを実現するために、
自国の石油を活用しようとしているのだ。
2:サプライチェーン問題
新しい油田の掘削は、
稼働するまでに数か月程度かかる。
さらに掘削業者は現在、
深刻な人手不足に直面している。
実際、オクラホマ州の掘削業者によると、
「新しい油井の掘削に使用する装置を運搬するために
20種類のセミトラックを保有しているが、
現在そのうちの2種しか稼働していない」と言う。
これら2つの要因によって、
石油の供給は停滞。
今後数年間に渡って、
供給が需要に追いつかない可能性が高いだろう。
一方、需要はどうだろうか?
需要増加を巻きおこす、
2つの大きな要因がある。
1:存在しない完璧な代替燃料
昨今、政府によるグリーン・エネルギーの押し付けが行われている。
しかし、アメリカが2050年までに
カーボンフリーになることは不可能といえるだろう。
実際、エネルギー省でさえ、
「化石燃料は主要なエネルギー源であり続けるだろう」と認めている。
つまり、将来何十年にもわたって
石油の需要は着実に増加し続けると予測している。
今後も産業化の主要な燃料であり続けるだろう。
2: 新興市場の成長
中国は世界第2位の経済大国である。
数年続いたコロナによる厳格なロックダウン政策が解かれ、
徐々に経済は復活し始めている。
結果、昨年における石油の需要のうち、
中国やその他諸国が90%を占めているほど担った。
これらの国々が成長し続ければ、
車など石油を必要とする製品に対する
需要も高まることが予想できるだろう。
【今後の世界の石油情勢】
現在、世界の石油消費量は、
1日あたり9,900万バレル。
2030年までには
1億800万バレルにまで増加されることが予想されている。
一方で、供給量は減少。
需要の増加と供給の減少…これら合わさった時にどうなるか?
石油価格が上昇することが期待できる。
その価格上昇は明日か来週、
来月のいつ起こるかは分からない。
しかし、今後5年間で石油価格は
現在より大幅に上昇することは容易に予測できるだろう。
今こそ石油企業に投資するチャンスなのかもしれない。
~Financial ダイレクト編集部~
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