アメリカ市場が低迷する今…"割安な優良企業"を発掘する3つの方法
From チャールズ・ミズラヒ
株式市場で40年以上のキャリアを持つ投資のエキスパート。23歳の時に自身の資産運用会社を立ち上げると、7年連続で全米No.1のリターンを出すことに成功。その手腕は瞬く間に知られることとなり、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、クレディスイスなど世界トップの金融機関から資産運用を任されるように。また、35歳の時にはコモディティ・トレーダーとしても全米No.1のリターンを出した実績を持つ。2011年には、当時メディアから「今後株価が上がることはない」と酷評されたAppleとMicrosoftを推奨。それぞれ1,300％以上のリターンをもたらすこととなった。彼の洞察はNewYork Times、Barrons、Wall Street Journalをはじめ多数の経済・金融メディアで取り上げられている。また、彼が執筆するニュースレターは7万人の顧客に購読されており、その中にはメリル・リンチ、モルガン・スタンレー、JP・モルガンなど世界トップの投資銀行も含まれる。
米国株は低迷が続いている。
アメリカ市場全体の株価を表すS&P500種株価指数は、2022年の初めからおよそ18%下落。2023年に入っても回復の兆しは見えていない。
そんな状況に対し、一部の専門家は「更なる暴落がやってくる」と予想している。
先行き不透明な状況が続く今、私たち投資家にとって大切なことは何だろうか？
2023年の株式市場を戦い抜くために、最も重要なことがある。
それは…気質だ。
これは非常に大切なことであるため、はるばるイスラエルのユダヒルズからこの記事を書いている。
知識やIQではない…投資家に求められるスキル
多くの人は、投資で成功するためには会計の知識や高いIQが必要だと思っているが…これは真実から程遠い。もしそうなら会計士や科学者が長者番付の上位を占めているだろう。
本当のコツは、自分の感情をコントロールすることにある。株価が下がるたびにパニックになるようでは、「投資家としての気質」を持ち合わせているとは言えない。
しかし、株をビジネスの一部と考え、短期的な変動に悩まされないのであれば、あなたは成功への道を着実に進んでいる。なぜならご存知の通り、株式は長期的に高いリターンをもたらすからだ。
実際、150年前に米国株に1ドルを投資していた場合、それは20,000ドル以上に膨らんでいる。実に、2万倍である。
大切なのは、一直線に上昇したわけではないということだ。幾度もの弱気相場、戦争、パンデミック、上昇相場を経験し、着実に成長を遂げてきている。
そして投資家としての気質を持たない人たちは、市場が下がったときに株を売却した。短期的な株価の変動が、大きな利益を得るために必要な代償であるということを忘れてしまったのだ。
もし、不況を経験せずに高いリターンを得ることが可能だと言う人がいたら、すぐにその人から離れた方が良い。それはウソだ。
しかし、自分の感情をコントロールし、冷静さを保つことさえできれば、株式市場でお金を稼ぐのは難しいことではない。
では、どうすれば冷静さを保つことができるのだろうか…？
その答えはシンプルだ。安心して持っていられる優良企業に投資すれば良い。今日はそのヒントと具体的な企業についてご紹介しよう。
優良企業を見抜く「3 アルファ・アプローチ」
多くの投資家は、株を「チャート上の揺らぎ」としか見ていない。株をビジネスの一部と見なすのではなく、カードゲームのように取引しているのだ。
これはよくある間違いである。私は株価を重視しない。なぜなら、株価はそのビジネスについて何も語らないからだ。最終的に、株価はビジネスのファンダメンタルズに従うものであり、その逆はない。
そのため私は、投資先を選ぶ際、必ずこの手法を用いる。これは3アルファ・アプローチと呼んでいるものであり、投資哲学の根幹となる考え方だ。私は、この3つの条件を満たした企業でなければ、投資しないことにしている。
アルファ・マーケット：その企業は、数百億ドル、数兆ドルもの価値がある巨大な成長産業に参入しているか？
アルファ・マネジメント：株主価値を高めてきた確かな実績のあるCEOによって経営されているか？
アルファ・マネー：株価がその企業の将来の収益を反映しているかどうか？（もししていないのであれば、市場参加者はその企業を過小評価しており、株価はバーゲン価格になっている可能性がある）
スターCEOが率いる優良企業の株を"割安な価格"で購入し、長期に渡って持ち続ける。これほどシンプルなことはない。
もし株価が下がったら、こう自分に問いかけてみてほしい。
"ビジネスそのものに何か変化があったのか？"
もし答えがNOであれば、気にせず持ち続けることだ。なぜなら、下落相場では、ほぼすべての銘柄が下落するからだ。たとえ素晴らしい業績を上げていたとしても…
最終的には、短期的な株価の変動に惑わされず、長期的に投資を続けていた人が一番儲かるのだ。そして今、我々は大きなチャンスを迎えている。
熊からのプレゼント
昨年、熊はお腹を空かせていた。すべての企業の株価を飲み込んでしまったのだ。良いものも、悪いものも…
しかし、私はそれを一種の"プレゼント"だと捉えている。なぜなら、優良企業の株が、かつてないほどのバーゲン価格で売られているからだ。
例えば、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー社（Nasdaq: WBD）。
同社は、近い将来、ネットフリックスやディズニーのような動画配信サービスに対抗できるメディア大企業だ。「ワーナーメディア」と「ディスカバリー」という米国の巨大メディア2社が合併してできた会社である。
合併後、CEOのデイヴィッド・ザスラフ氏は、すぐに事業の整理に取り掛かった。開始から数週間しか経ってないストリーミングサービス「CNN+」を閉鎖。1億ドルの損失を計上したのだ。
神経質な投資家たちは、会社がどこに向かっているのか不安になり、結果、昨年に株価は60％急落した。
さて、ここで「気質」が重要となる。私は2022年10月、この株が約12ドルで取引されていた時に、米国の顧客に対して「買いだ」と提言を行った。
その時に注目したのは、カオスな市場や世間からのノイズ（雑音）ではなく、同社の本質的な価値（ストリーミング・ビジネスと20万時間以上のコンテンツ）である。
このビジネスは少なくとも1株あたり24ドルの価値があると分析したのだ。また私は、ザスラフCEOの大ファンである。彼が負債を返済し、1年かそこらで会社を「金のなる木」に変えると見ている。
実際、今年に入ってから、市場参加者もそれに気づき始めているようだ。株価は41%も上昇している。
もちろん、ワーナー・ブラザースはあくまで一例である。しかし、この弱気相場はいずれ終わる。同社のような優良企業がバーゲン価格で取引されることは、そう長く続かないだろう。
ぜひ、割安で売られている優良企業の株に注目してみていただきたい。
P.S.
2023年の今、私が最も注目しているのは、とあるEV関連企業。ウォール・ストリート・ジャーナル誌は同社を「テスラに取って代わる可能性のある企業」と評価している。
それにも関わらず、同社の株価は現時点で1,000円程度。テスラ株のおよそ20分の1の価格だ。これは株式市場からの"プレゼント"と言えるかもしれない…
詳しくはこちらの動画で解説しているので、ぜひともご覧いただきたい。
P.P.S
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