From：チャールズ・ミズラヒ

世界最大の小売企業ウォルマート。

なぜ、この企業が世界一になれたのか？

あなたは考えたことがあるだろうか？

その理由はシンプル。

どんなにわずかなお金でも大切にしたから

実際、創業当時、ウォルマートの事務所はアーカンソー州ベントンビルにある質素なビル。

出張の際には必ずエコノミーに乗り、ファーストクラスで移動することはなかった。

宿泊は2人1組。

ニューヨークへの出張では、徒歩か地下鉄で移動する。

タクシーは禁止されていた。

社員は宿泊したホテルからペンやノートを持ち帰るように言われていたそうである。

そうすれば事務用品の経費削減ができる。

こうした考え方は、創業から60年以上たった今でも続いている。

私が企業に投資をする際、注目するのは、このようなタイプのCEOだ。

つまり、株主が投資した資金を自分のお金のように大切に扱うCEOである。

ボロボロのトラックに乗り続けるCEO

経営において、あらゆる経費が収益に影響を及ぼす。

2022年、ウォルマートは5,700億ドルを生み出し、120億ドルの純利益を上げた。

同社が上場した1970年に1万ドルを投資していた場合、現在では1億8,000万ドル以上になる。

ウォルマートの時価総額は今や1兆ドルを超えた。

だが、彼らは今でも小銭を大切にしている。

そんな文化を作り上げたのが、
ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトン氏である。

彼は250億ドルもの純資産を持っていた。

それにもかかわらず、ボロボロの赤いトラックに乗り続けていた。

サム氏にとっての質素倹約は、ある時突然目覚めたものではない。

それは、彼自身の一部だったのだ。

そんな彼のアドバイスには数々の偉大な小売業者が従っている。

例えば、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏。

彼は、ウォルマート創業者の自伝『私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ（原題：Sam Walton: Made in America）』を持ち歩いていたと言われている。

彼もまた質素なCEOである。

実際、彼のデスクは長年、シンプルな戸板だった。

世界の富豪トップ20の一人となった2013年にも、彼はまだホンダのアコードに乗っていたというのだから驚きだ。

もしそんなアマゾンが上場した時、1万ドルを投資していたら、現在は約1,500万ドルの価値を持つことになっている。

CEOを見て投資しよう

私は、ポートフォリオに加える企業を調査する際、CEOについてできるだけ多くの情報を集める。

自分が投資している企業の経営者の名前すら知らない投資家が多いが、私には理解できない。

株主をパートナーのように扱い、5セント単位で会社の資金を監視。

顧客を満足させるために最善を尽くすCEOとだけ、パートナーになりたいと思っている。

例えば最近、あるCEOとじっくりと話をする機会があった。

話を始めて数分で、なぜ彼の会社が成功しているのか理解できた。

なぜなら彼は、自分の全財産である2,200万ドルを会社につぎ込んでまで株主に価値を還元していたのだ。

彼の言動を見れば、株主のことを必死に考えて運営しているのは明らかだった。

株主が投資した資金を自分のお金のように大切に扱ってくれる…

ぜひそんなCEOが経営する企業への投資を検討してみていただきたい。

CEOこそがあなたの投資パフォーマンスを大きく左右する重要な情報（シグナル）である。

～Financial ダイレクト編集部～

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