FTXの破綻はターニングポイントだったか?
From:イアン・キング
リーマンショック
株式市場が大きく下落したとき、「明日がどうなるか分からない」「世界が終わるかもしれない」そのような恐怖を感じることがある。
2008年にリーマンショックが起こった際、私自身もまさにそう感じた。
リーマンは数日前まではウォール街で最大の銀行であり、6,000億ドルに資産を持っていた。
しかし、160年の歴史を持つこの銀行はあっという間に姿を消すことになったのだ。
当時、リーマンブラザーズの破綻が、これほど金融システムに大きな影響を与えるとは想像ができなかった。
しかし、リーマン破綻後、株式市場は底を打ち10年以上弱気相場続くことになった。
また、リーマンショックだけではない。
2020年にコロナウィルスが流行した際、リーマンショックと同じような絶望を感じた。
学校や企業が閉鎖され、株式市場も1ヶ月で30%以上下落。
ただ、コロナショックで大きく市場が下落した後、私はリーマンショック後のことを思い出した。
リーマンショック時も株式市場は大きく下落したが、その後、大きく回復することになった。
そのため、コロナショックが起きた際も、同じような現象が起こると考えていた。
するとどうなったか?
米国の中央銀行であるFRBは、株式市場の回復に向け前例のない金融緩和策を実施。
その後、20ヶ月でS&P500種株価指数は83%上昇したのだ。
株式市場だけではない。
暗号資産の価格も大きく上昇することになった。
イーサリアムは20倍、ソロナは100倍上昇。
ルナに至っては200倍近く上昇した。
現在、暗号資産市場は低迷しているが、リーマンショックやコロナショック時と同様のことが起こっているのではないかと考えている。
つまり、市場は下落しているが、今後それが上昇に向かう可能性があるということ。
暗号資産市場は今後上昇していくのか?
暗号資産は過去1年間、弱気相場だった。
その原因の一つが、暗号資産のヘッジファンドであるスリー・アローズ・キャピタルが倒産したことにあった。
同社の倒産が他にも波及し、暗号資産の取引・貯蓄・融資を行うセルシウス・ネットワークは顧客の資金引き出し停止を余儀なくされた。
そして、暗号資産ブローカーの一つボイジャー・デジタルは倒産することになった。
このような状況で暗号資産価格は下落していった。
そして、きわめつけは2022年11月。
暗号資産取引所の一つFTXが破綻したのだ。
弱気相場の中でビットコインは高値から76%下落。
イーサリアム 75%下落。
FTXと関係のあるソラナは、95%という大幅な下落を記録した。
暗号資産投資家、特に高値近くで売却していなかった投資家にとっては辛い時期だっただろう。
しかし、大きな投資チャンスが得られるのは、このように市場が大きく下落したときだと私は考えている。
暗号資産市場のターニングポイントに近づいている
FTXの破綻は暗号資産市場へ大きな影響を与えた。
誰もが「暗号資産はリスクが高い、危ない」と考えたことだろう。
しかし、このFTXの破綻は暗号資産市場にとって
・スリー・アローズ・キャピタルが倒産
・セルシウス・ネットワークの危機
・ボイジャー・デジタルの倒産
に継いだ最後の危機だったのではないかと考えている。
というのも、暗号資産市場は2000年代に発生したドットコムバブル時と良く似ている。
インターネットは当時、暗号資産同様全く新しいテクノロジーだった。
そのため、大きな盛り上がりを見せ1998年までに、インターネット関連企業は7,500以上存在した。
しかし、ドットコムバブル崩壊後、半数以上が姿を消すことになった。
しかし、生き残った企業の中では、大きな投資チャンスになるものがあった。
その一つがアマゾン (Nasdaq: AMZN) だろう。
ドットコムバブルが崩壊した後も、インターネットは人々に利用され続けてきた。
その波にも乗り、アマゾンはドットコムバブル崩壊後、20年間で37,000%以上のリターンを出したのだ。
バブル崩壊など市場の悪い要因が洗い出された後、このように大きな投資チャンスが訪れる可能性がある。
そして、暗号資産市場においてもまさに同じようなことが起こる可能性があると考えている。
FTXは破綻したが、今後、暗号資産が全く使われなくなるといったことはないだろう。
実際、米国の億万長者の一人ビル・アックマンは、「暗号資産は定着している」と言っている。
インターネットと同じように、暗号資産の裏にあるテクノロジーは(ブロックチェーン、分散型金融、スマートコントラクトなど)、うまく機能している。
暗号資産を使って悪意のあることをしようとする者や弱い暗号資産が追い払われた後、残った暗号資産が大きな投資チャンスになる可能性がある。
そのため、暗号資産市場の膿が出された今が投資チャンスと言えるのかもしれない。
イアン・キング
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