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【特別レポート】4,000%の成長市場で一人勝ちが狙えるEV戦争の覇者

140年前に始まったEV革命

1881年4月。EVの歴史は140年以上も前から始まります。

その日、フランスの発明家ギュスターヴ・トルヴェによって世界初のEVが作られ、パリの道路でテストされました。

世界初のEV車

それから、60年以上経った1947年。日本初の電気自動車「たま」が販売スタート。テスラが出てくるずっと前からEVは誕生していました。

日本初の電気自動車「たま」(出典:自動車技術会)

そして、最初のEVから140年以上経った2023年現在、日本でのEV普及率はたった1%台に過ぎません。

しかし、日本がEV普及に遅れている中、一部の国ではEVの普及が急速に進んでいるのです…

急激に進むEVシフト…約10人に9人が購入する国も

例えば、

  • EUでは、10%ー日本の10倍進んでいます。

  • 中国では、22%ー日本の22倍進んでいます。

  • さらに上海に限れば45%ー日本の45倍進んでいます。

そして、世界No.1のEV先進国であるノルウェーに至っては、86%がEV車。ほとんどの人がEVを買うようになっているのです。

しかも、EV購入者のうち94%は「次もEVを購入したい」と回答。どんどんとEVの普及が広まっています。

出典:日本経済新聞

最低でも27倍、上手くいけば49倍のEVが普及する

しかし、これはまだ始まりに過ぎません。実際、自動車大国日本のEV普及率はわずか1%。アメリカも2%程度。現在わかっている中で最新の2021年における世界のEV普及率は1.2%に止まっています。

一方、矢野経済研究所は、2035年までに世界のEV普及率は悲観的に見ても33.3%になると予測。自動車の販売台数も1.18倍に微増すると分析しています。

つまり、2022年~2035年の間に27倍以上もEV販売台数が成長を見込んでいるわけです。かなり将来性の高い市場だと言えるでしょう。

そして、これはあくまでも悲観的な予測です。楽観的な予測によると、2035年時点の世界のEV普及率49.1%。現在の49倍以上もEV販売台数が伸びていくと見ています。

出典:矢野経済研究所

非常に成長性の高い市場だと見て取れるでしょう。

過去とは全く違うイノベーション

過去にはさまざまなイノベーションが起こり、世の中に普及しました。パソコン・スマホ・検索エンジンなどなど、挙げ出したらキリがありません。

しかし、EV市場が過去のイノベーションと全く違うのは、各国が総力を上げて普及のために動き出している点です。例えば、下の画像は主要国が掲げる目標をまとめたものですが、その内容を見れば各国の本気度が伺えるのではないでしょうか?

出典:沖縄タイムス

また、アメリカの例ですと、バイデン大統領は全60万台の政府車両全てをEVに置き換えることを発表

バイデン氏は政府の車両60万台をEV化することを決定
(出典:Ars Technica)

さらに、全国民がEVを買えるように法整備を進めています。

その一部だけでも…

  • EV購入希望者への給付金

  • EVに対する税控除(最大7,500ドル)

  • 各州の税制優遇措置(1,500~5,000ドル)

などなど。そして、この流れは政府だけに留まりません。大手自動車メーカーも野心的な目標を発表しているのです。

さらに、その流れは自動車メーカだけにとどまらず、世界的なテック企業も動き出しています。

・アマゾンは、10万台のEVを発注。米国ではすでに荷物の運送にEVが使われています。
・アップルは、2024年に電気自動車「Apple Car」を 発売予定。”タイタン”と呼ばれる社内プロジェクトを立ち上げ、独自のEVを開発しています。
・配車サービスを提供する Lyft(リフト)とUber (ウーバー)は、2030年までに100%の車両をEV にすると発表。

こうして多くの企業が EV に投資しています。

さらに、Amazonの創設者であるジェフ・ベゾスやMicrosoftの創設者であるビル・ゲイツ、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットなども個人的にEV企業へ投資をしているのです。

「EVの完成度はせいぜい50%」

もちろんまだまだEVの課題は山積みです。

・価格が高すぎる
・火災のリスクがある
・充電する場所が足りない
・製造過程でCO2が大量に排出される
・レパートリーが少ないなど…

実際、自動車環境・技術戦略アナリストである藤村俊夫氏はEVが未完成品だと言います。

「(これまで販売されているEVの)完成度は50%程度と言ったところだ。市場に導入できる代物ではない」

出所:『EVシフトの危険な未来』p35より

ですが、注目すべきは、未完成品にもかかわらず、すでにEV関連企業は投資家に途轍もないリターンをもたらしてきました

例えば、バッテリー交換型のEVを販売する中国のEVメーカーNIO (NYSE: NIO) は、2018年に上場して以来、900%も株価が上昇しました。

<ニーオ (NYSE: NIO)の株価推移>

出所:eikon

さらに、別の中国EVメーカーBYDの例もあります。

世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏は、2008年からこの企業へ70億ドル以上を投資。その結果、5,400%のリターンを得ました。

< BYDの株価推移>

出所:eikon

また、2020年から経済を停滞させているコロナですら大した障害にはなりません。

実際、自動車での移動が激減したパンデミック時でも、現在No.1のEVメーカーテスラの株価は約600%上昇しました。

<テスラの株価推移>

出所:eikon

さらに、この成長を10年間で見れば、株価の上昇率は22,000%

これは100万円が2億円になるほどのリターンに相当します。普通の投資家を瞬く間に億万長者にしたのです。

出所:eikon

では、もしこれからどんどん技術革新が進み、完成度100%のEVが普及するとしたら、どれほどの投資機会となるでしょうか?

当然ながらその投資価値の正確な算定はできません。ですが、少なくとも注目すべき市場だと言えるではないでしょうか。

EV市場へどのように投資するか?

では、どのようにしてEV市場に投資して利益を狙うのが良いのでしょうか?

ここで1つ…絶対のNGがあります。

それがテスラやトヨタ、フォルクスワーゲンなど自動車メーカーからEVの勝者を探して投資をすることです。これは、勝てる見込みの少ない勝負と言えるでしょう。

まず、トヨタ、フォルクスワーゲン、フォード、ゼネラル・モーターズ、テスラ、ルノー、日産などなど…世界的な自動車メーカーがひしめきあっています。

現在は、EVだけに特化したテスラが一足先に評価されていますが、各社がEVシフトを急速に進めているのが現状。ここから一人勝ちするような企業が出てくることを望むのも、言い当てるのもどちらも現実的ではないでしょう…

そしてもう1つのポイントが、これらの自動車メーカーはすでに世界的に知れ渡っています。思い出してください。大きな株価上昇を起こした企業はいつも無名から有名へ成り上がったのです。

テスラはわかりやすい事例でしょう。

2011年から2021年のおよそ10年間で株価は22倍になりましたが、2011年の間にテスラを知っていた人はどれだけいたのでしょうか?投資までしていた人はさらに少なかったでしょう。

ですが、今では毎日のようにイーロン・マスクの発言がメディアに取り上げられ、日本で一番人気の外国株はテスラです。

出典:マネックス証券

すでに株価も大きく値上がりしているため、ここからさらに10倍、20倍…ましてや220倍といったリターンを狙うのは現実的ではありません。

では、どうすればよいのか?

このような場合は過去に学ぶといいかもしれません。時は1848年にまで遡ります…

ゴールドラッシュ戦略

ゴールドラッシュ。

それは、1848年、カリフォルニアで始まりました。そこは人口2万人にも満たない小さな村。当時、カリフォルニア「州」でもありませんでしたし、当然シリコンバレーと呼ばれていませんでした。

「地の果て」が一番ピッタリな言葉だったでしょう。

鉄道も、船もなく、3,200キロ(大阪ー東京間の8倍ほど)を徒歩で歩くか、馬車で進むか。それともマラリアの温床である熱帯雨林をくぐり抜けるか…どれかを選ばないと辿り着けませんでした。

当時のカリフォルニア

しかし、ある時…

「金が見つかったぞ!」

突如、川辺で金が発掘されたのです。1日で発掘できる金の価値は2,000ドル。一方、当時の平均的な労働者の日給は1ドルでした。

その差はなんと2,000倍。たった、1日働いただけで、10年分に相当する収入を得ることができたのです。

「これは一攫千金のチャンスに違いない!」

その噂はたちまちアメリカ中に拡散。当時2万人にも満たなかった小さな村には、10万人、25万人、38万人と…欲にまみれた大量の採掘者がカリフォルニア州に押し寄せました。

採掘に従事する金採掘者(1850年)

しかし、彼らのほとんどは裕福になることができませんでした。

噂通りにチャンスを掴んだのは、偶然金鉱を掘り当てた、ごく少数だけ。その他大勢は、旅行費や滞在費、費やした時間すら回収できず何も得ることなく、帰っていく羽目になったのです…

そんな中、熾烈な競争に参加せず、もっとスマートに稼いだ人たちがいました。彼らは金を掘りませんでした。

しかし、その代わりに金を掘る人が必要するものを供給したのです。

例えば、24歳の青年だったリーバイ・ストラウス。

当時、金を採掘する労働者には大きな「悩み」がありました。肉体労働にズボンが耐え切れず、すぐに破れてしまったのです。さらには、そこら中に毒蛇や毒虫がおり、非常に危険な状態での採掘が行われていました。

チャンスを見出したリーバイス青年は、膝がボロボロにならず、どんな動きにも耐えうる丈夫なズボンを発明。毒蛇や毒虫が嫌がる匂いを発する染料を練り込み販売しました。

結果は爆発的なヒット。飛ぶように売れ…ジーンズメーカー、リーバイ・ストラウス社が誕生しました。後にこの企業は「リーバイス」となっています。

競合が多く、当たるかわからない金の採掘という競争に参加するより、押し寄せる38万人に向けて…採掘用のズボンを作って売ったほうが儲かる…24歳のリーバイスの戦略は見事にハマったのです。

しかし、ゴールドラッシュで最も大きな成功を収めた人物はリーバイスではありません…

ゴールドラッシュで最も成功した男

彼の名は、リーランド・スタンフォード。元弁護士で、その後、カリフォルニア州の知事にまで上り詰めた人物です。

彼は当時の価値で5,000万ドル…運良く金を掘り当てた人のおよそ2万5,000倍の富を築きました。

一体彼は何をしたのでしょうか?

ゴールドラッシュが過熱にすれどんどんと必要性が増す…もっと根本的で致命的な問題を解決したのです。

それが、「大陸横断鉄道」の開通でした。

当時、「地の果て」と称されていたカリフォルニア。

そこへ辿り着くのは容易ではありませんでした。馬車で走り続けて6ヶ月の長い旅路。その間、満足に睡眠も、食事もできません。感染症にかかるリスクまであり、途中で息絶える人が後を絶たなかったと言います。

そんな中、リーランド・スタンフォードはアメリカを横断する鉄道を開通。

元々6ヶ月かかっていた旅行が、6日に短縮。しかも、死の危険もなくなり、夜も快適に眠ることができるようになりました。

さらに、元々1,100ドルかかっていた費用が、70ドルに節約。およそ15分の1になったのです。当然、全米中の国民から利用されるようになりました。

その結果、彼は「泥棒男爵」と呼ばれるまでに富を独占。後に、築いた資産を使ってスタンフォード大学を設立し、その卒業生がNETFLIX、Googleなどを創業したことは有名です。

そして、スタンフォード大学を囲むようにして、GoogleやFacebookなどが並ぶこの地は現在シリコンバレーと呼ばれています。

・リーバイ・ストラウス
・リーランド・スタンフォード

彼らは、ゴールドラッシュで金を掘り当てる代わりに、「問題」を解決する道具を提供することで一財を成しました。

これを各国で熾烈に行っているEV戦争に当てはめるとどうでしょう。どの企業がEVの最大手になろうとも、EVが普及する上で確実に直面する「問題」を解決する企業に投資できれば…小競り合いに参加せずとも利益を狙えます。

EV普及が進むにつれ肥大化する問題

では、EVにおける悩みとは何か?それはEVが進んでいる国を見てみればすぐにわかります。

例えば、EV普及率22%の中国。

出典: 36Kr Japan

目標とするEVの販売台数と充電スタンドの比率が1対1なのに対して、現在は3対1。3倍も充電する場所が足りていません。

EV普及率86%のノルウェイはこうです。

出典:livedoor news

ノルウェイの充電設備の数は日本の20倍以上。人口が約500万人と日本の1億2,000万人と比較すると24分の1ですから、一人当たりの充電設備の数は480倍あります。ですが、まだまだ充電設備が足りないのです。

さらに、充電設備がないために、普及が進まないという側面もあります。実際、EV市場関係は次のように漏らしています。

「(私たちの顧客は])今すぐEVを購入する準備ができていますが、インフラが整っていないため購入できません」

出典:FreightWaves

EVが普及するにあたって今後どんどんと膨れ上がっていく悩み…それこそが充電設備の不足です。それを裏付けるかのように、市場の成長率がEV市場の中でも突出しています。

事実、EV市場全体の年間平均成長率は16.9%。これは毎年、16.9%ずつの市場成長を表しているのですが…EVの充電市場の年間平均成長率は31.2%。つまり、EV市場全体と比較して、およそ2倍の成長が期待されています。

そして、このような成長率の差が積み重なることで10年後にはEV市場全体が4倍に大きくなる中、EVの充電市場は10倍にまで成長すると予測されているのです。

  • EVが普及するにつれ大きくなる問題を解決する…

  • さらに、EVの普及すらも促進する可能性がある…

  • EV市場よりも毎年2倍のスピードで成長することが期待される…

そんなEVの充電市場は注目する価値があるのではないでしょうか?

EV戦争の覇者

その中で、特に注目すべきがチャージ・ポイント(NYSE:CHPT)です。

出典:同社HP

この企業は「世界のスムーズなEVシフトを支援すること」をミッションに掲げ、EVの充電事業に100%集中。世界各国に充電設備を提供してきました。

本拠地はシリコン・バレー。アップルやアマゾン、フェイスブックなど名だたる有名企業が生まれた地域であり、1894年にゴールドラッシュが起こったという奇跡の場所でもあります。

事業のスタートはなんと2007年。15年前です。「EV」という言葉が世間に知れ渡るずっと前から事業を運営してきました。

現在、提供しているのは21万個の充電施設。市場シェアはなんと70%以上と独占的なポジションを確立しています。

もちろん世界的な自動車メーカーとも太いパイプを持っていて、BMW、キャデラック、シボレー、ダイムラー、エナジカ、フィアット、ヒュンダイ、日産、メルセデス・ベンツ、トヨタ、フォルクスワーゲンなどから数億ドルの資金を調達。
 
さらに、チャージ・ポイントの顧客には世界的な名だたる企業が名を連ねています。

アップル、アマゾン、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、ネットフリックス、マスターカード、イケア、マクドナルド、リッツ・カールトン、ペプシコーラ、デル、アドビ、3M、ゼネラル・モーターズ、ハイアット、ユナイテッド航空、ジョンソン&ジョンソンなどがその一例です。

出典:同社HP

また直近の売上高も順調に成長。2021年こそコロナによる影響を受けたものの、2022年は+65%の成長。2023年の6~9月期には93%の売上成長を見込んでいます。

出典:同社HP

もしこの通りになれば、コロナ前の1年分に相当する売上を1四半期だけで稼げるということ。著しい成長が期待されています。

そして、重要なのがEV市場でどの自動車メーカーが抜きん出ても問題がないのです。

例えば、こちらはチャージ・ポイントが投資家向けに公開した資料の1つなのですが…EV車の台数の増加に比例して、同社の収益が伸びることを示しています。

出典:同社HP

つまり、トヨタ製であろうが、テスラ製であろうが、フォルクスワーゲン製であろうが、EVさえ普及すれば同社の成長が見込まれるのです。EV市場の急速な成長から恩恵を得るのであれば、ピッタリな企業と言えるのではないでしょうか。

ちなみに、同社は充電設備を作って終わりではありません。導入した企業や政府からは継続収入を得るビジネスモデルを構築しています。

実際、EVの充電設備を販売することで短期的に収益を上げますが、7年後には49%…充電設備の購入代金とほぼ同額を稼いでいます

出典:同社HP

EVが普及して、同社の顧客が増えれば増えるほど業績が盤石になることでしょう。

さらに、2022年には世界No.1の投資銀行ゴールドマンサックスとも提携を発表。

出所:charge point公式

ゴールドマンサックスが提供する融資モデルの活用により、初期投資ゼロでの充電インフラを設置が可能に。これによって、事業者は本体費用を前借りし、実際に運用して得られた収益から返済をすることが選べるようになりました。

事業者側が充電インフラを設置するハードルの1つであった、初期設備投資への解決策ができたことで今後ますますの普及が期待されます。

各自動車メーカーがEVの開発と研究で小競り合いをする中、今後のEV普及に向けて磐石な体制を構築している同社は「EV戦争の覇者」と呼ぶに相応しいでしょう。

そんな同社の株価は現在1,000円程度で推移しています。(*2023年4月時点)

EVが普及するにつれ、さらなる成長が期待できる企業ですから、今後もその動向に注目してみると良いかもしれません。ぜひご自身でも同社の情報を調べてみてください。