負け組投資家を大量に生み出した「4文字」
From チャールズ・ミズラヒ
「FOMO」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「Fear of Missing Out」の略語で、「見逃したり、取り残されたりすることへの恐怖」を表す言葉である。これは1996年にマーケティングを専門とするダン・ハーマン博士によって初めて提唱された。
その後、2000年にビジネス誌「The Journal of Brand Management」にて、研究成果をまとめた学術論文が掲載。世の中に広まった。これは、情報社会で過ごしている私たちにとって避けて通れない言葉である。それほど私たちを脅かすものなのだ。
「FOMO」には以下の症状が当てはまる。
近年では、FOMOで苦しむ人が増えている。実際、1982年から1996年の間に生まれたミレニアム世代の約69%がFOMOを経験しているという統計もあるほどだ。
SNSは人と人を繋ぐ架け橋になってくれた。しかしそれと同時に、自分の生活と比べてしまったり、トレンドについていけない焦りを生む原因になっているのだ。
“トレンド”を追いかける投資家
そして、投資の世界でもそれは発生する。例えば、GAFAMに該当するハイテク株は2021年に時価総額を2.5兆ドルにまで伸ばし、株価も大きく上昇。
その恩恵を受け、テスラの最新モデル「モデルS」を買う投資家が増加した。
また、暗号資産はたった1ヶ月で200%も価格が上昇。大きな利益を得た投資家がいた。
このような一部の投資家を見ていると、「トレンドの流れに乗ることが正しい」そう勘違いしてしまうのだ。そして、長年に渡り「FOMO」は数え切れないほどの投資家に貧乏くじを引かせてきた。
“負け組投資家”を生んだ「FOMO」の正体
・Zoom
・Etsy(ハンドメイドマーケット企業)
・Peloton(オンラインフィットネス)
これらの銘柄が700%以上の高騰を見せた時、「FOMO」は大流行した。
しかし、現在はどうだろうか?
これらの銘柄はピークから90%以上も下落している。つまり、ピーク時に100万円を投資していた人は、10万円に資金を減らしてしまったということである。もちろん、「FOMO」になることは決してあなたのせいではない。「人間の本能」として仕方がないことなのだ。
科学者はこれを“群衆本能”と呼んでいる。つまり多くの人は群衆に巻き込まれ、簡単に投資をしてしまう。それが理性のコントロールが必要ない、最も楽な行動だからである…
しかし、この「FOMO」が、私たちの世代で最悪の負け組投資家を多く生んでしまったのを覚えているだろうか?
例えば、
・ナスダックが高値から78%も急落した破綻前のドットコム株
・2008年の金融危機で50%以上も急落する前のサブプライムで儲けた金融会社
・2021年に高値から80%以上下落した※「ビヨンド・ミート」のような銘柄
これらは世間にイノベーションを約束し、日夜トップニュースを賑わせているような銘柄ばかりであった。だが、常に不吉な予感はしていたのだ。実際このトップニュースに騙された投資家たちは負け組へと転落してしまった。
「FOMO」への対応
「FOMO」を排除し、群衆に逆らうことはそう簡単ではない。それを私はある経験から知ることができた。
1999年、私は当時の顧客にこのようなことをお伝えした。
これに対し、何人かからは「あなたは狂っている。あり得ない」という声をもらったのは記憶に新しい。
2005年、住宅バブルが崩壊する3年前に警告を発した時も同じだった。2021年にミーム株(ネットで話題になり株価が急上昇する企業の株)には手を出すなといった時もそうだ。
もちろん多くの人が耳を傾けてくれたが、反論の言葉を投げる人もいた。しかし、決して自分が間違っていると思ってはいなかった。それはある重要な事実を理解していたからだ。
これはウォーレンバフェットの師匠、ベン・グレアムが数十年前に言った言葉である。この言葉は「FOMO」が蔓延している今だからこそ本当の価値を発揮する。
つまり、あなたへの助言はこうだ。
「群衆に従うのではなく、反対方向に進めばいい。」
私は多くの投資家が喜んで見過ごすような「アンチFOMO」銘柄を探すことを専門にしている。ほとんどの投資家は価値を感じていないため投資をしない。だからこのような銘柄はバーゲン価格で売られているのだ。
そして、このような銘柄は一度買ってしまえば後は持っておくだけである。長期的に見れば株価はビジネスの本質に沿って上昇していくからだ。
あなたもトレンドに従うのではなく、本当にビジネスとして長期的に伸びていくような銘柄に投資をしてほしい。
P.S.
2023年の今、私が注目している"バーゲン企業"についてはこちらで紹介している。ぜひ一度、動画をご覧になり、この投資チャンスを知っていただきたい。
P.P.S
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