日本人気No.1米国株「テスラ」に“今”投資をしてもいいのか?
あなたは、日本で一番人気な米国株が何か知っていますか?
答えは、イーロン・マスクがCEOを務めるテスラです。
実際、日本の大手証券会社である楽天証券において、テスラ株は人気ランキング堂々の1位。
毎日のように、イーロン・マスクの発言がメディアに取り上げられていてEVも大きなトレンドになっていますから、多くの方が投資をしてみたいと思うのは自然なことかもしれません。
ですが、EVというトレンドから利益を狙うのであれば、テスラへの投資は「ワリに合わない」かもしれないのです。
なぜか?
過去、大きな株価上昇を起こした企業はいつも無名から有名へ成り上がったからです。
直近の事例ですと、コロナワクチンで一気に有名になったモデルナがあります。
2019年12月31日時点で19.56ドルだったモデルナの株価は2021年9月1日には389.94ドルに… 1年と8ヶ月で、株価が20倍と大きく成長しました。
<モデルナの株価推移>
世界中の人々を苦しめるコロナに対抗するワクチンを作ったとはいえ、凄まじい伸びです。100万円を投資できていたら2,000万円になっていました。
*将来の成果を保証するものではありません
一方、ファイザーはどうでしょうか?こちらがファイザーの株価推移です。
<ファイザーの株価推移>
株価は上下していますが、モデルナのように大きく上昇しているわけではありません。
2019年12月31日時点で39.18ドルだったファイザーの株価は2021年9月1日には46.04ドルに…
株価上昇は1.17倍。モデルナの20倍と比べると物足りなく感じてしまいますよね…
「世界中を苦しめる感染症のワクチンの開発に成功」
そんな人類史に残る快挙を残したのにもかかわらず、ファイザーはほとんど株価が伸びなかったのです。
なぜモデルナの株価が20倍になり、ファイザーは1.17倍止まりだったのか?
その1つの要因が元々有名だったかの違いです。ファイザーは元々、製薬業界で首位争いをするレベルの大企業でした。
一方、モデルナは当然ランク外。コロナ前にモデルナのことを知っていた人はかなり少なかったでしょう。
無名な時に仕込むからこそ大きな利益が期待しやすいのです。
テスラもそうですよね。
株価は2011年から2021年のおよそ10年間で22倍になりましたが、2011年時点でテスラのことを知っていた人は少なかったでしょう。投資までしていた人はさらに絞られるかと思います。
そして現在は世界で最も有名なCEOが経営する、世界一人気の企業に。
ここからさらに10倍、20倍という株価上昇を目指すのは現実的ではありません。
実際、専門的な分析をしてもそのような結論が出てくるのです。
例えば、数字が大きくなればなるほど「割高」… 少し砕けた言い方をすると、ボラれていることを示す指標があるのですが。テスラのそれは24。 競合であるゼネラル・モーターズやフォードは5〜6ですので、4倍以上も割高な値段で取引されているということです。
まだまだテスラの人気は衰えませんが、いつかバブルが弾けると株価が下がってしまうリスクもあります。
実際、モデルナを例にとるとコロナワクチンで注目を浴びて株価が20倍になった後、急落。現在は3分の1ほどの値段で取引されています…
人気になってから投資をすると、このようなリスクがあるのです…
<モデルナの株価推移>
もちろん、テスラやイーロン・マスクが好きという理由で株を持っておくのは良いでしょう。
ですが、これから2,000%の成長が期待できるEV市場からより大きな利益を狙うなら…
・もっと無名で(コロナワクチンを作る前のモデルナのように)
・もっと革新的な(数年前のテスラのように)
・もっと株価が安い(テスラだと1株2万円ほどです)*2023年3月6日時点
そんな企業への投資を検討されると良いかもしれません。
P.S.
無名:人気銘柄ランキング圏外(名前も聞いたことがない人が多いでしょう)
︎革新的:「テスラを超える企業」とウォール・ストリート・ジャーナル紙が評価
安い:1株1,000円程度で買えます(でも、2023年が始まってすでに70%ほど株価上昇しています)*2023年3月6日時点
この3つの条件をそろえた投資先については、こちらの動画で詳しく解説をしています。ぜひご覧ください。
P.P.S
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