マグニフィセント・セブンの共通点
From:チャールズ・ミズラヒ
これらの企業の共通点がわかるだろうか?
アップル、アマゾン、メタ、マイクロソフト、Nvidia、グーグル、テスラ。
これらは「マグニフィセント・セブン」と呼ばれ、2023年の株価上昇の大部分を牽引してきた企業たちだ。
その成長率は、S&P500のリターンの2倍以上である。
そして、これらの企業は全て創業者が経営し大きく育て上げた。
株式市場で大きなリターンを得たいのであれば、創業者主導の企業に投資することが一つの鍵となる。
実際、2014年に発表されたパデュー大学の研究によると、創業者主導の企業は15年間の間で市場に3倍以上の差をつけていると報じられた。
では、一体なぜ創業者主導の企業は他を凌駕するのだろうか?
今回はその理由と、この戦略を使ってより収益性の高い投資を行なう方法を紹介しよう。
クリエイターズ・スピリット
数週間前、ある男性から「私がどのように銘柄を選んでいるのか」と尋ねられた。
40年以上の経験から私が出した一つの答えは、「読書」である。
株主宛の書簡から学術研究、書籍に至るまで手に入るものは何でも読んできた。
特に最近読んだ本では『創業者のメンタリティ』(The Founder’s Mentality)が印象に残っている。
そこには創業者主導の企業が持つ3つの特徴が書かれていた。
・創業者にはビジネス上の反乱がある。業界の常識に戦いを挑む傾向がある。
・創業者は最前線にこだわる。彼らは細部まで掘り下げ、現場の従業員をヒーローにする。
・創業者は、あらゆるレベルで事業の成功に個人的な責任を負う。
これを読んだ時、ある人物がふと頭をよぎった。
サウスウエスト航空の創業者であるハーブ・ケレハー氏だ。
型破りな創業者
フォーブスは同氏を「模倣し難い破壊的なビジネスモデルを作り上げた」と称賛している。
同氏は、自らのビジネスを愛しており、その愛着心が素晴らしい成果を生むと信じていた。
事実、同社には「お客様第二主義、従業員第一主義」という珍しいポリシーがある。
従業員を満足させることで、却って従業員自らが顧客に最高の満足を提供すると考えていたのだ。
それは、アメリカ同時多発テロが勃発し、競合が大量の人員削減をする中、同社が決して従業員の解雇を選ばなかったことを見れば一目瞭然だろう。
従業員の中には、企業の誠意に応えようと、自ら減俸を申し出た人もいたそうだが、そのような愛着心を生む経営こそが真の顧客満足を生み出し続ける。
さらに、常に業界のやり方に疑問を持つことを辞めなかった。
例えば、同社にはファーストクラスの座席がないことを知っているだろうか?
他にも、機内食も撤廃し、座席指定の制度も無くすことで、航空券の価格削減に努めてきた。
様々なサービスを徹底的に排除し、できる限りコストを抑えるこの経営手法は、一見、顧客への提供価値まで削減されているように感じられるかもしれない。
しかし、同社はそのようなサービスではなく、従業員の親しみやすさや、ホスピタリティにあふれた対応によって、十分なほどに顧客に満足感を提供してきたのだ。
このような型破りな創業者精神を持っていたため、サウスウエスト航空は歴史上最も成功した航空会社のひとつとなった。
同社の株価は上場以来、295,163%の大幅な上昇を記録している。
(3月5日時点)
つまり、当時1万円でも投資していれば、2,950万円近いリターンを得られているということだ。
もうお分かりかもしれないが、創業者が経営する企業の一部は型にはまらない。
常に事業の成長へ注力するその姿勢が市場を大きく上回る業績を生むのだ。
もし、「マグニフィセント・セブン」のような銘柄を見つけたいと考えているなら、創業者が経営していることが一つの鍵になるかもしれない。
〜編集部より〜
ミズラヒさんが見つけたこの企業も優秀な創業者によって経営されています。
しかも、その資産の95%を運営する企業の株式に注ぎ込むほど。
人生をかけて経営しているのです…