ダウ10万
From:チャールズ・ミズラヒ
「ダウ工業株30種平均が今後10年間で現在のおよそ2.5倍、10万ドル(1,500万円)に達する」
調査機関メインストリート・リサーチはそう発表した。
(1ドル=150円で計算)
数年前までは、それは夢の話に過ぎないと考えられていた。
しかし、新たな革新的技術の登場によって、ついに実現してしまうかもしれないのだ。
これまで、革新的な発明品はこれまで幾度となく、米国経済に大きな影響を及ぼしてきた。
例えば、
1920年代:
当時新たに現れた電話やラジオ、飛行機、自動車は大きな生産性を生み出し、平均は400%近く成長。
1990年代後半:
インターネットの普及により5年間で200%近い成長。
2010年代前半:
デジタル化の普及により、100%ほどの成長。
そして今、また新たな大きな成長の波が訪れようとしている。
その鍵は、人工知能(AI)だ。
事実、2030年までにAIは、世界経済に15兆7,000億ドルの利益をもたらすと予想されている。
これは、中国のGDPに匹敵するほど。
米国だけに絞ってみても明らかだろう。
昨年の米国のGDPは27兆ドル以上だったが、AIによってもしGDPが5%でも上昇すれば、及ぼす経済効果は1兆ドルを優に超える計算になる。
そう考えると、むしろ10万ドルという予想は低すぎるかもしれない。
これから紹介する3つの業界を見てもらうと、AIが影響を及ぼす影響についてより実感してもらえるだろう。
業界1:ヘルスケア業界
AIの影響は、新薬発見や個別化医療、遠隔診療などさまざまな点ですでに大きく貢献している。
実際、米国最大の病院チェーンである、HCAヘルスケア(NYSE: HCA) は昨年、Googleクラウドと提携を発表。
この提携により、AIを活用して看護師間の臨床記録を自動的に作成するシステムが開発。
大幅な時間と人件費のコストを削減することができるようになったのだ。
実際、同社の株価はAI技術の導入以来、半年で20%近くの株価上昇を遂げており、この取り組みはますます他社にも進んでいくことだろう。
※将来の投資成果を期待するものではありません。
業界2:小売業界
AIは個別の顧客に特化したおすすめ機能やターゲット広告、需要予測などさまざまな影響を小売業界に与えている。
その恒例がウォルマート(NYSE: WMT)だ。
同社はAIを利用して顧客サービスを向上させ続けている。
OpenAIと協力し、顧客にスマートフォンを利用した音声注文を可能にすることはもちろん、AIアシスタントを利用した店内案内なども可能にしている。
結果、AIの拡大後わずか3ヶ月で株価は10%以上上昇。
今後も、顧客満足度の向上につれて、売上、利益両者ともに増加することが期待できるだろう。
※将来の投資成果を期待するものではありません。
業界3:製造業
最後のセクターは、製造業だ。
こちらに関しては言うまでも無いだろう。
AIによって生産工程の最適化や、品質管理、新素材の開発などが可能になっている。
事実、ゼネラル・エレクトリック(NYSE: GE)は機械学習・ヒューマンインターフェイス・コンピューターの基礎研究・ビッグデータの活用など、さまざまな分野でAIを活用している。
AIブームから利益を得る方法
私たちの調査によると、生成AIだけで、それぞれの業界には次のような利益が毎年もたらされるだろう。
・医療:22.5~39兆円
・小売業:36~58.5兆円
・製造業:25.5~43.5兆円
合計:84~141兆円
( 1ドル=150円で計算)
わずか3つの業界だけでこれだけの影響力がある。
これを踏まえると、ダウ平均が10万ドルに達すると言うのは低く捉え過ぎているかもしれない。
もちろん、これを見て、今すぐダウに投資しろと言いたいわけではない。
何が要因なのかを知っていただきたいのだ。
AIは世界中に強烈なインパクトを与える。
それによって、利益が得られる産業があることを覚えていてほしい。
〜編集部より〜
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