史上最高の打者から学んだ“科学的な投資”
From チャールズ・ミズラヒ
あなたは「テッド・ウィリアムズ」という男をご存知だろうか?
彼は、ひょろ長い風貌と華麗なスイングから『スプレンディッド・スプリンター(華麗なるトゲ)』の異名で呼ばれたメジャーリーガーであり、数々の偉業を達成してきた。
その経歴のおかげで今でもなお、「史上最高の打者」と称される球界の伝説だ。
そして、彼が史上最高の打者になるために行なったことは、より良い投資家になるためにも共通する。
あのバフェット氏もその方法を参考にするほど。
そこで今回は、ウィリアムズの考え方の秘密と、投資への活用法をあなたにも共有したいと思う。
史上最高の打者“テッド・ウィリアムズ”
彼は、1939年からアメリカメジャーリーグのチーム「ボストンレッドソックス」で19年間プレーをしていた球界屈指のメジャーリーガーであった。
事実、プレイヤーとして数々の歴史的な成績を残している。その名を最も世に知らしめたのは1シーズンで「打率4割」を記録したことだ。
一般的にシーズンを通して「打率3割以上」が一流のバッターの目安である。
しかし、彼はそれを大きく超え、今でも「最後の4割打者」と呼ばれている。さらにそれだけではない。
最高の打撃技術と四球を選ぶ能力を兼ね備えていたため、ほとんどのシーズンで出塁率No.1。生涯出塁率も482とMLB歴代No.1であった。
史上最もアウトになりにくい打者であり、「史上最高の打者」だったのだ。生涯を通じてここまで成績を残すことができたのは、ただの運ではない。
そこには安定的に結果を出すための方程式があった。
世界一の投資家も参考にする“打撃法”
その秘密を教える前に、この方程式が投資家においても有効であるということをお話ししたい。
なんと、あの世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏も彼の打撃法を参考にしているのだ。
実際、5月4日に行われたバークシャー・ハサウェイの株主総会では、「良い球が来た時しかバットを振らない」と述べており、狙ったコースを狭めることが投資の秘訣であると語っている。
まさにこれは、テッド・ウィリアムズの打撃法であり、私もその考え方と同じである。
全ての企業にバットを振る必要はないのだ。自分の得意分野に入ってきたものだけを選んで投資をすることがとても重要である。
“ウィリアムズ”の打撃法
では、一体、彼がなぜこれほどまでに偉業を達成することができたのか?その秘密は、彼の書籍「バッティングの科学」の中で極めてシンプルに語られている。
一体どういうことなのか…?彼は非常に系統的で計算力のある男であった。ストライクゾーンを77のマス目に分け、それぞれの場所での打率を研究したのだ。
例えば、右隅では打率は2割しか打てなかったとしよう。また、反対の左隅では2.9割、他の部分では2.1割程度だったとする。
しかし、そこにボールが来たとしてもバットは振らない。彼は自分が最も打てるところ、打率が3割強、つまりヒットの球しかバットを振らないことを徹底したのだ。
全てにバットを振らない投資法
これは投資においても同じである。
時には見逃し、自分に打てる球を選択することがとても重要なのだ。
世の中には無数の企業がある。しかし、その業界についてはほとんど計り知れないのではないだろうか?
つまり、自分がヒットを打てるストライクゾーンはどこなのか。どこに投資をすべきなのか。それを考えることがとても大切である。
そして、それ以上に最も重要なことは自分が勝つ見込みのないストライクゾーンの外の投資機会は思い切って見逃してしまうことだ。自分の得意な分野外の銘柄は見逃し、ヒットが狙える見込みのある銘柄にだけ投資をすることを意識してほしい。
〜編集部より〜
そんなミズラヒさんが自身のストライクゾーンとして分析し、ヒットが狙えると考えた銘柄。
ぜひ、こちらの動画でご確認ください。