アマゾンの歴史を変えた「一杯のコーヒー」
Financial ダイレクト | 経済メディア
From:チャールズ・ミズラヒ
私たちの生活に欠かせないサービス”アマゾン”。
アマゾンはいかにして現在の地位を獲得したのだろうか?
そこにはあまり知られていない…
アマゾン史上、最大のターニングポイントがある。
全ては「たった一杯のコーヒー」から始まったのだ…
2001年、アマゾンがまだ無名のオンライン書店だった頃。
創業者のジェフ・ベゾスは、
なんとか自社サイトの商品を充実させようと躍起になっていた。
そこで、彼が会いに行ったのはコストコ・ホールセール(Nasdaq:COST)の共同創業者 ジム・シネガル氏。
彼はシネガル氏を近くのスターバックスに誘った。
なんとしてでも、コストコと手を組みたかったのだ。
彼はシネガル氏にありったけの熱意をぶつけたが、その思いは届かず。
このアイデアはあえなく頓挫することに。
しかし、この出会いは想像以上の収穫をもたらした。
彼は史上最も偉大な小売業者の一人から、
”ビジネスの極意”を授かったのだ。
シネガル氏から授かったコストコのビジネスモデルは、
今もなお、アマゾンの歴史を支えている。
たった一言の言葉
シネガル氏は彼に、全てのビジネスはたった一言に尽きると教えた。
その言葉とは、、、
『顧客ロイヤルティ(顧客に気に入ってもらうこと)』だ。
コストコで買い物をするには会員になる必要がある。
そして、会員になるためには1年に一度、年会費を払わなくてはならない。
それでもなお、世界には現在1億2,300万人もの人が会員となり、
店舗に日々足を運んでいる。
なぜここまでコストコは人々を魅了するのだろうか?
コストコの店内に足を踏み入れると、テレビや食品、日用品など、
数多くの商品が大量に陳列されていることを目にするだろう。
他のどこよりも多く、かつ大幅に安く売られているそれらの商品は、
店舗に訪れるたびに、「会員になっていて良かった」と顧客を満足させる。
”圧倒的な安さ”というシンプルなアプローチこそが、
顧客に年会費を払ってもらう大きな価値を生み出している。
彼はシネガル氏からこの話をされるや否や、
すぐさま自分のビジネスに応用しようと考えた。
実際、その翌々日から、
アマゾンの価格戦略を変えたほどである。
当時、アマゾンは低価格を説いていたが、
競合他社の中にはもっと低価格のものも複数あった。
そこですぐさま、書籍や音楽、ビデオの価格を、
現状よりもさらに20%〜30%引き下げたのだ。
プライムの成長
そして数年後の2005年。
アマゾンは独自の新しい会員プログラム
”アマゾンプライム”を開始。
当時の価格は年間11,000円ほど。
主な特典は注文時の送料が「無料になること」だった。
数年かけてアマゾンは、
プライムの年会費を19,000円ほどまで引き上げたが、
顧客へ提供する価値はさらに増大している。
(1ドル=140円で計算)
今では無料配送に加え、
ストリーミング、即日配送、試し読みなどもできるほどだ。
その結果、アマゾンの株価がどうなったか見てほしい。
20年以上前、コーヒーを飲みながらした会話が、
2億人以上のユーザーを持つ会員制サービスの基礎を築いたのだ。
そして、そのサービスからアマゾンは、
2022年だけで約4.9兆円もの売上を獲得している。
(1ドル=140円で計算)
優秀なCEO
たった一つの決断が全てを変える。
私はこれを '10億ドルの一手 'と呼んでいる。
アマゾンの一件で少しご理解いただけたかもしれない。
優れたCEOの決断一つ一つが、ビジネスを大きく加速させるのだ。
そして、優れたCEOをいち早く見つけ出し、そこに投資をすることは、
大きな利益を得る機会をもたらす。
あなたも投資をする際には、その投資先のCEOがどんな人なのか?今一度注目してみてほしい。
そうすることで、チャンスが目の前に転がってくるかもしれない。
~Financial ダイレクト編集部~
ミズラヒさんが、今注目する優秀なCEOと成長が期待できる企業について、こちらの動画でご紹介しています。
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