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【古代ギリシャから続く】禁断の取引

時は今から2500年以上前…
古代ギリシャ時代。

天文学と数学に長けていたタレスという哲学者がいました。

<タレス>

出所:turkish

タレスはエジプトやバビロニア(現在のイラク周辺)などの地中海の先進的な世界を訪れ、日々学問を突き詰める生活をしていたそうです。

その頭の良さから「ギリシャ七賢人」の一人として数えられています。

あのアリストテレスも、タレスのことをギリシャ世界最初の哲学者と見なしており、“哲学の祖”とも呼んでいるのです。

そんなタレスは自身の知識を組み合わせて、のちに「禁断の取引」と言われる仕組みを作成。

その取引が現代のある金融商品に繋がっていきます。

オリーブビジネスで儲けたタレス

ある日タレスは、星とオリーブ収穫量の関係性を突き止めることに成功。

その関係性を使って、自分の地域でオリーブが大豊作になることを予測しました。そして、その予測を使って利益を得ようと試みたのです。

彼はオリーブが大豊作になると、オリーブを搾る機器に大きな需要があることを認識していました。

ゴールドラッシュのツルハシとシャベルのようなものですね。

しかし、タレスはすべてのオリーブを搾る機器を所有するのに十分な資金を持ち合わせていませんでした。

そのような理由から、搾り機器の販売元と「収穫期に特定の金額で購入できる約束」をしました。

つまり、「将来決まった額で買える権利」を取り付けたのです。

タレスが払った金額はその「約束代」だけ。さらに、タレス本人がそのオリーブを搾る機器を買わなくても良い状態にありました。

そして月日が流れ収穫の時期が到来。
タレスの予測通り、それはそれは大収穫の年に。

その結果タレスは「搾り機器購入権」自体を、オリーブ収穫のために必要とする人々へ転売。タレス自身は多額の利益を得たのです。

もう少し詳しく説明すると…

タレスは約束代を支払って
「将来一定金額で搾り機器を
購入できる権利」をゲット

豊作によって
搾り機器の購入金額が急騰

「一定金額で搾り機器を購入できる権利」自体に
価値が発生

その権利を売却

約束代を支払って権利を獲得し
後日、その権利を売却したため
そこに差額が発生

タレスの利益に。

そう、タレスはオリーブ搾り機器を購入することなく約束代だけで利益を得ることに成功。

これが、今日の「賢明な投資家が行う取引」と言われる…オプション取引の始まりです。

タレスが作り上げたオプション取引は、ここから2000年後…

「リターン」だけでなく「リスクヘッジ」にも使われるようになりました。

この続きはこちらの記事にてご紹介しています。