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執着

From:チャールズ・ミズラヒ


株式市場で40年以上のキャリアを持つ投資のエキスパート。23歳の時に自身の資産運用会社を立ち上げると、7年連続で全米No.1のリターンを出すことに成功。その手腕は瞬く間に知られることとなり、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、クレディスイスなど世界トップの金融機関から資産運用を任されるように。また、35歳の時にはコモディティ・トレーダーとしても全米No.1のリターンを出した実績を持つ。2011年には、当時メディアから「今後株価が上がることはない」と酷評されたAppleとMicrosoftを推奨。それぞれ1,300%以上のリターンをもたらすこととなった。彼の洞察はNewYork Times、Barrons、Wall Street Journalをはじめ多数の経済・金融メディアで取り上げられている。また、彼が執筆するニュースレターは7万人の顧客に購読されており、その中にはメリル・リンチ、モルガン・スタンレー、JP・モルガンなど世界トップの投資銀行も含まれる。

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「世界で最も偉大な企業はどこか?」

そう聞かれた時、あなたはどの企業を思い浮かべるだろうか?

私は迷わず、「Amazon」と答える。

出所:同社HP

1994年に自宅の小さなガレージから始まった同社は、20年以上の時を得てオンラインビジネスの王者となった。

実際、Amazonプライムの会員数は2億人を突破している。

これは、世界第8位の人口を誇るバングラディッシュを上回るほどだ。

さらに、株価は1997年の上場以来、およそ1,300倍以上に。

もしあなたが、10万円を投資していたら、1.3億円以上に増えていたということだ。

しかし一体、なぜここまで成長することができたのか?

その原動力は、CEOのジェフ・ベゾス氏が持つ「ファンを生み出す力」が大きく影響している。

ベゾス氏は、顧客が最も望んでいる 3 つのことに焦点を当て続けていた。

それは価格、品揃え、利便性だ。

全ての意見を参考にする

1994年、同社はベゾス氏の自宅の小さなガレージで、オンライン書店としてスタートした。

出所: OfficeChai

そして、ビジネスを開始してからわずか数ヶ月で知名度は拡大。

アメリカ全州、世界45カ国へ本を発送し、2ヶ月後には週の売上が約290万円にまで達していた。

(1ドル=145円で計算)


その名が広まるにつれ、顧客からは様々な要望が殺到。

「CDやDVD、電子機器など他の商品も販売してくれないか?」といったメールを受け取るようになった。

ここで、同社を率いるのが普通の経営者だったとしよう。

すると、順調な広がりを見せるビジネスにおいて、ジャンルが異なる商品の販売を選ぶことはなかっただろう。

しかし、ベゾス氏は違った

そのアイデアを無視するのではなく、全て実現させていったのだ。

常に考えていたことは、顧客体験を向上させること。

1995年には、顧客レビュー制度を導入。

たとえ、否定的なものだとしてもその意見の投稿を可能にすることで、同社の「信頼のコミュニティ」を築き上げていった。

今では誰もが商品を探す時、まず最初に顧客レビューを確認することだろう。

その意見をもとに、購入を決めているといっても過言ではない。

Amazonは今や私たちの生活の一部となっている。

それも、素晴らしい顧客体験を生み出すことに全力を尽くしていたからだ。

私は、今でも初めてAmazonで購入した商品を覚えている。

「RONALDREGAN:How an Ordinary Man Became an Extraordinary Leader」という本だった。

(著)ディネシュ ・ドゥスーザ/RONALDREGAN/フリープレス; タッチストーン版

たったワンクリックするだけで、商品が家に届いた時のあの興奮は忘れられない。

顧客にどう感じてもらうか…それが同社の原動力になっている。

その企業が顧客に夢中になっているかどうかは、投資をするときの非常に重要な指標なのだ。

顧客への執着

企業が真に顧客に向き合えていない場合、私は興味すら持たない。

もちろん、地球上のどの企業も、顧客を大事にしていると言うだろう。

しかし、それは多くの場合、ただの熱意の塊にすぎない。

顧客への真のこだわりは、Web サイトのキャッチフレーズ以上のものなのだ…

設立当初から、企業のDNAに組み込まれていなければならない。

実際、ベゾス氏は次のように述べている。

私は、顧客をパートナーとして考え、自社の製品を非常に簡単に購入できるようにする企業に投資したいと考えている。

顧客は、そこまで尽くしてくれる企業以外でビジネスを行なおうなど夢にも思わないだろう。

そしてそれが、際限のない顧客の流れを作る、「ファンを生み出す力」なのだ。

そして大きなビジネスへと成長していく。

もし、企業と顧客との間にほぼ断ち切ることのできない絆を築き、何度もリピーターを生む、そんな企業を見つけることができたら…

決して、手放してはいけない。

その企業は、ほぼ止められない連鎖反応を引き起こし、長期的に利益をもたらしてくれることが期待できるだろう。

~Financial ダイレクト編集部~

そんなミズラヒさんが、ファンを生み出す大きな力を持つと注目する企業。
その企業に関する情報はこちらで解説しています。

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