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<オプション初心者の方へ>なぜ資産形成に“オプション”を取り入れると良いのか?そのメリットや仕組みを解説

あなたは「オプション取引」と聞いてどんなイメージがありますか?

「投機的」や「危険」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。もしくは、“一部のプロだけが使うものであり個人投資家には関係ない”と思われている方もいらっしゃるでしょう。

実際、日本証券業協会の調査によると、オプション取引を使用していない理由として、31%の投資家は「博打だから」、46%は「馴染みが薄いから」だと回答しています。

さらに別の調査では、オプション取引を使っている投資家ですら、その40% が「手っ取り早く簡単にお金を稼げるからやっている」と回答しました。

しかし、オプションとは本来、“リスクヘッジ”として発明されたものであることをご存知でしょうか?その役割はいわば「保険」。許容できないリスクを取り除く、もしくは軽減することにあります。

この特集では、そんな保険としての機能を持つ「オプション取引」に関して詳しくご紹介します。

・そもそもオプション取引とはどのようなものなのか?
・いつどのような場面で使えば良いのか?
・オプション取引の仕組みや魅力とは?

このような内容を学ぶことができます。オプション取引に少しでも関心がある方、株価の下落に備える方法を知りたい方などはぜひご覧ください。

2種類の“株式保険”

病気やケガ、事故など日常に潜むリスクに備えるために活用されるのが一般的な保険です。

その仕組みはこのようなもの。

・決められた日にち(満期)までに
・決められた事象(病気や事故)が発生した場合に
・保険金を受け取れる

そのために加入者は保険料を払って、保険金を受け取る「権利」を購入する。そして万が一のことが起こった際には、保険金を貰い、それで損失を補填したり、生活を保護します。

これと同様の取引を株式市場で行なうのが「オプション取引」です。その種類は主に上昇保険(コール・オプション)と下落保険(プット・オプション)に分類されます。

用語解説:
・プレミアム:生命保険で言う保険料のこと。オプション(権利)の購入代金。
・コール・オプション:株を買う権利
・プット・オプション:株を売る権利

ここでは資産を守る手段として「下落保険(プット・オプション)」を例に詳しく見ていきましょう。

下落保険を資産形成に取り入れる

株価の下落が懸念される時、プット・オプションを活用することで損失を限定することができます。プット・オプションとは株を売る権利のこと。これは例えば、「ABC株の株価が2ヶ月後までに10%下がったら株を売ります」といった権利のことを意味します。

このような保険をかけておけば、たとえ株価が50%下がったとしてもあなたは-10%の価格で株を売ることができます。損失を5分の1に抑えられるわけですから、安心ですよね。

よりイメージできるように具体的な事例を見ていきましょう。

2020年1月頃、当時、世界は新型コロナウイルスに関するニュースで持ちきりでした。2020年1月31日には、WHOが世界の感染者が9,000人を超えたことを受け、緊急事態を宣言。

出所:BBC

もし、あなたがこの時、S&P500連動のETF(SPY)を保有していて、その株価への影響を懸念したとしましょう。そこで、掛け捨て感覚でプット・オプションを買い、「保険」をかけておくことができます。
*対象は、SPYに限らず、あなたが保有している株式やETFなど自由に決められます

具体的には、2020年2月の時点で、「どれだけ株価が下がったとしても、当時の株価の10%下…305ドルで買い取ってもらえる」という条件です。

出所:trading view

100株分に保険をかける場合に、かかったコストは209ドル(約2万5,080円)。もし株価が下がらなければ、これが最大の損失額となります。
*1ドル=120円で計算

そして、2月中旬以降、株式市場は34%下落。SPYの株価は338ドルから222ドルに下がりました。SPYに1,000万円を投資していた場合、資産額は660万円に。340万円の含み損が出たことになります。

出所:trading view

しかし、あなたは「-10%の株価で売る権利」を持っていますよね。そのため株価が下がったのを見て、“後から”「やっぱり305ドルで売ります」ということが可能になります。

つまり、普通に株を持っていた場合、資産額が-34%となった一方で、保険をかけていたら、資産額の減少を約3分の1である-10%に抑えられたということです。

予め損失が10%に抑えられることが分かっていれば、突然の株価下落に慌てることはありませんよね。資産額の減少に一喜一憂することも、不安になって底値で株を売ってしまうことも無くなるでしょう。

もちろん、株を売るかどうかはあなたの「権利」です。「権利を使わない」という選択をすることもできます。

例えば、株価がすぐに回復していくようであれば、権利を使わずに(=株を売らずに)、株を持ち続ければ良いですよね。そうすることで引き続き、値上がり益を狙っていくことができます。

株価の動きを見た上で、(後から)自由に権利を使うか、使わないかを決めることができる。そして権利を使った場合には、株価の下落による損失を抑え、資産を守ることができる…その柔軟性・保険としての機能がプット・オプションの魅力です。

しかも、そのために数十万・数百万円の保険料を払う必要はありませんし、面倒な手続きをする必要もありません。さらには、“一般的な保険”とは違い、リスクを軽減するだけではなく、利益に変えることも期待できます。

このようなプット・オプションを使った投資戦略は、下落相場から資産を守り、着実にリターンを狙っていく。そしてより安定的に、より効率的に資産を築いていくための強力な武器となるでしょう。

ぜひそのようなオプション戦略を資産形成に取り入れてみてはいかがでしょうか?

P.S.

そんなプットオプションを活用し、株価の下落からリターンを狙っていくための戦略を明日、公開します。

ぜひ楽しみにお待ちください。





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